Tabletop Simulator自作ワークショップ講座
はじめに
この記事では『Tabletop Simulator』(TTS)の導入から自作ワークショップの作成方法を紹介します。TTSとは仮想空間でボードゲームやカードゲームを操作することができるアプリで、Steamにて販売中です。
TTSの利点は初期状態で用意されているゲーム以外に自作ワークショップの導入が行えることです。今回自作ワークショップの作成を行いましたので、記事としてご紹介したいと思います。
※公開されているワークショップの中には著作権の観点から問題があるものも多くあります。公開範囲に注意し、権利上問題のない範囲で楽しむようにしましょう!
導入~チュートリアル
TTSを購入・インストールした後は最初にチュートリアルを行いましょう。基本的な操作方法はチュートリアル内で説明されていますので、指示に従って操作を行いましょう。最後にテーブルをひっくり返せばチュートリアル完了です。
日本語化MOD導入
日本語の方がわかりやすいという方は日本語化MODを導入しましょう。TTSの日本語設定は機械翻訳のため、有志の方が作成されている以下の日本語化MODがおすすめです。
導入方法は以下の通りです。
- リンク先の「+サブスクライブ」ボタンからMODをTTSへ導入します。
- TTSトップ画面の歯車マークから設定画面を開きます。
- 設定画面内の「文←→A」マークをクリックし、言語メニューを開きます。
- 「ja 日本人」を選択し、「Keibuki(workshop)」を選択します。説明が日本語化されれば導入完了です。
自作ワークショップ作成の流れ
インストール、チュートリアル(+日本語化MODの導入)まで完了した方は、まずは自由にTTSの操作を行ってみましょう。自作ワークショップ作成の前に、基本的な操作に慣れ、思い通りにオブジェクトを動かせるようになると良いです。ある程度自由に操作ができるようになったら自作ワークショップの作成を開始しましょう。ワークショップは以下の流れで作成~プレイすることができます。
- 素材を用意する
- コンポーネントを作成する
- 自作ワークショップを保存する
- 自作ワークショップを呼び出す
素材を用意する
自作ワークショップの作成を開始するために、題材とするボードゲームやカードゲームを選びましょう。素材の用意や設定のしやすさから、最初はカードの形式が良いです。今回自作ワークショップの題材にさせていただくのはスパ帝国さん制作のボードゲーム『ナショナルエコノミー』です。個人的にとても好きなゲームですので、未プレイの方は購入をおすすめします。
カードの取り込み
まず、カードの画像をPCへ取り込みます。スキャナーをお持ちの方はまとめてスキャンすると良いと思います。スキャナーがない方は以下のスマホアプリを使用すると簡単にカードを画像化することができます。
カード画像の作成
- SteamライブラリのTTSを右クリックし、プロパティを開きます。
- TTSプロパティのローカルファイルの「参照」を開きます。
- TTSのインストールフォルダーが開くので、「Modding」フォルダ>「Deck Builder」フォルダを開きます。「Deck Builder」フォルダ内に「TTS-Deck-Editor」があります。
「TTS-Deck-Editor」を開いたら、「New Deck」から新規デッキの作成を行いましょう。デッキサイズの選択画面が開きます。
TTS用のデッキ画像の最大サイズは「幅:10 高さ:7」の70枚です。70枚を超える場合、デッキ画像を分けて作成します。また、枚数が少ないほうがカードの画質を高くすることができます。読み込みたいカードの枚数に合わせ、WidthとHeightを設定しましょう。
Deck Sizeを設定すると、デッキの編集画面が開きますので、ドラッグアンドドロップでカード画像を取り込むことができます。ツール内で「Ctrl + C」を押すことでカード画像をコピーすることもできます。
同じカードはTTS内でコピーして作成することもできます。ただ、枚数が少なければツール内で1枚の画像にしてしまったほうが後でデッキを作成する際の手間が少ないのでおすすめです。
例)カードA・B・Cの3種類8枚のカードを取り込んでいます。3種類のカードのみの画像として後でTTS内でコピーするか、事前にツール内で必要な枚数を用意するか、の違いです。
ツール内に画像を取り込むことができたら、デッキファイルの保存とカード画像のエクスポートを行いましょう。ツール内の「File」の「Save Deck」からデッキの保存ができます。TTS内で使用する画像は「Export」から出力することができます。
エクスポート時には以下のウィドウでサイズの指定をすることができます。「Max Deck Size」にチェックを入れることで最大サイズで出力できますので、チェックを入れましょう。
エクスポートされた画像ファイルが以下のファイルです。こちらの画像ファイルをTTS内で読み込み、自作のカードデッキの作成をします。
コンポーネントを作成する
デッキの作成
前手順で作成したカード画像ファイルを読み込み、TTS内で自作デッキの作成を行います。TTSを起動し、メインメニュー内の作成>シングルプレイから新規ゲームの作成を行います。上部メニューのアイテムを選択し、コンポーネント>カード>カスタムデッキを選択し、テーブルへ配置します。
配置した白紙のデッキを右クリックすると、カスタムデッキの設定ウィンドウが表示されます。
それぞれの設定項目についての説明は以下の通りです。
- タイプ:カードの形の設定。
- 表面:カード表面の画像。
- ユニークな裏面:各カードごとに裏面が異なる場合にチェックを入れ、裏面に対応する位置に裏面のカードが設定された画像ファイルを指定します。
- 幅:カード画像の幅の数。
- 高さ:カード画像の高さ。
- 数:カード画像内のカードの枚数。
- 横向き:カード画像が横向きの場合にチェックを入れます。
- 裏面を隠す:チェックを入れるとカードが隠れている際に裏面の画像が使用されます。入れない場合、表面画像の最後のカードが隠れている際の画像として使用されます。
カード画像ファイルを読み込み、デッキの作成を行います。表面に指定する画像ファイルを選択すると、以下のウィンドウが表示されます。
TTSで使用する自作ワークショップの素材は一緒に遊ぶほかのユーザーが参照できるようにするため、ローカル環境ではなくインターネット上に存在する必要があります。imgur等のサービス上に画像をアップロードしてURLを指定することもできますが、上のウィンドウで「クラウド」を選択することでSteamCloud上にアップロードすることができます。ファイル名を指定し、SteamCloudへアップロードを行います。
アップロードしたファイルは上部メニューのModのクラウドマネージャを選択するとクラウドウィンドウが開きます。ウィンドウ内でアップロードした画像の管理が行えます。画像をクリックすることでURLのコピーができ、Optionsから削除することもできます。
画像をアップロードし、カスタムデッキの設定ウィンドウで項目の設定を行います。設定が完了したらインポートを押します。
設定した画像が読み込まれ、カスタムデッキが作成されます。Fキーを押すと裏返すことができ、設定した画像が読み込まれていることを確認できます。裏面には裏面用に読み込んだ画像が設定されています。Altキーを押すとカードを大きく表示することができますので、出来栄えを確認することができます。
カスタムデッキの作成ができたら、ゲームを保存しておきましょう。上部メニューのゲームを押すとウィンドウが開きます。セーブ&ロードからゲームの保存とロードが行えます。
カード以外のコンポーネントの配置
カードだけを使用するゲームならば、前手順まででコンポーネントの作成が完了します。今回題材とするナショナルエコノミーでは労働者トークンとお金用のトークンが必要になるので、それらの作成を行います。TTSには用意されたコンポーネントが存在するため、自作ではなくそちらを利用します。上部メニューのアイテム>コンポーネントからコンポーネントを選択し、テーブルに配置できます。
プレイヤーポーンを選択し、テーブルへ配置します。右クリックすることでメニューが開き、大きさや色を変更することができます。
必要なコンポーネントを配置できたら、ゲームの保存を行い、自作ワークショップの保存の準備は完了です。次手順で自作ワークショップの保存を行います。
自作ワークショップを保存する
カードやその他コンポーネントの準備ができたら、自作ワークショップの保存を行います。上部メニューのMod>ワークショップアップロードを選択し、ワークショップウィンドウを開きます。
各項目の設定を行い、アップロードを実行します。アップロードが完了するとIDが発行されます。ワークショップウィンドウ内のアップデートでIDを入れてアップデートすることができます。
アップデートが完了すると、上部メニューのゲーム>ワークショップに作成した自作ワークショップが追加されます。ここまでで自作ワークショップ作成は完了です。自作ワークショップを呼び出し、ゲームをプレイしましょう!
おわりに
TTSの自作ワークショップ作成の情報は多くはなく、戸惑うこともあるかもしれません。着実にひとつずつ設定を行うことで、オンラインで好きなボードゲームをプレイすることができますので、ぜひ自作ワークショップの作成にチャレンジしてみてください。
参考サイト様
自作ワークショップの作成に当たり参考にさせていただきました。ありがとうございます。この記事で紹介していない内容も多くありますので、ぜひ読んでいただきたいです。